肥田晧三
大阪府中之島図書館で、桂米朝師にその才能を高く評価され、大阪における書誌学を体系的に研究。その後、関西大学教授となり、同大学学芸資料を整理しました。ジャズに関する造詣も深く、デューク・エリントンに関する評論もある。
肥田家は代々島之内で銀行業を営んだ旧家であり、日常から和服で通される姿は、現代にいきる「町人学者」の風格を感じさせます。芸能史・庶民生活史をはじめ大阪文化を語る上で、特に大阪の子どもの遊びや楽しみについての研究には欠くことのできない存在です。
歌舞伎をはじめ古典芸能は言うに及ばず、近年ではOSK日本歌劇団への応援団としても精力的に活動をされています。ほんまもんの大阪庶民の目線からみた大阪学の体現者であり、「ミスター大阪」とも呼べる人です。
代表作には『肥田せんせぃのなにわ学』『上方風雅信』『近世こどもの絵本集―上方編』などがあります。
関西・歌舞伎を愛する会
関西での歌舞伎公演が危機的な状況となり、「何か手をうたなければ、歌舞伎発祥の地で公演が見られなくなる」と、昭和53年に結成。
行政、経済界、労働界、文化人、市民の方々が結集しました。翌年の朝日座公演から毎年7月に歌舞伎公演を実施。道頓堀に復活させた「船乗り込み」は夏の浪花の風物詩として定着しています。
今年結成30周年を期に、思いも新たに上方文化の再興に取り組んでいます。
寄席情報誌・よせぴっ
多くの人に気軽に寄席を楽しんでもらおうと、上方落語情報誌として平成18年に女性ばかりで立ち上げた月刊フリーペーパー。
発行部数は約6000部。配布場所は、京阪神の主要ホール、劇場、大阪商工会議所、東京の国立演芸場や横浜にぎわい座など。
関西一円の寄席情報だけでなく、出版情報、リレーエッセイ、演芸トピックスのほか、落語イラストなども掲載されていて、楽しく役に立つ内容です。
大阪市立千本小学校
平成13年より、「なにわの伝統野菜」の栽培と食育学習の総合学習を実施。5年生を中心に勝間南瓜や天王寺蕪を栽培し、収穫後、菓子や惣菜の調理を行っています。
また、同校職員の作詞・作曲による「なにわ伝統野菜の歌」も毎年5年生が引き継いで歌っています。
平成20年からは、3年生と6年生が田辺大根、4年生が勝間木綿の栽培を行い、都会に住む子供たちにとって新鮮な発見と喜びとなっています。
特定非営利活動法人「明るいシステム倶楽部」
職場を明るくする仕組みや、活力を引き出し明るい社風を定着させる仕組みを「明るいシステム」と呼び、大阪に明るい職場を増やす活動を展開。主な活動は、明るい職場に与える「AKS0041」認証制度の運営です。
認証の基本条件は
①明るいビジョン
②明るいリーダー
③明るい活動等。
3カ月に1度、認証の発表会を行い、現在12組織を認証。毎回、発表会は大盛況。
明るいシステムの勉強会も行っています。
大阪市立天王寺動物園
動物が生活している自然環境を再現した「生態的展示」の確立をめざし、平成6年に将来計画として「zoo21計画」を策定。
すでにアフリカサバンナゾーンやアジア熱帯雨林の森が完成しています。
市の財政難で予算が厳しい中、国際交流や民間との事業提携を推進。コアラやシシオザルが海外から、ホッキョクグマが㈱蓬莱から寄贈され、一時は約140万人に減少した入園数も190万人までに回復しています。
泉州音頭保存会 政若会
大阪府下の盆踊りの音頭は、「江州音頭」と、それをルーツとする「河内音頭」「泉州音頭」の3つに分類されます。
泉州音頭は、江州音頭同様にゆったりとしていますが、江州音頭のような哀調はなく、泉州人の明るさが曲調に表れています。題材も浪曲や講談物が取り入れられ、会津小鉄や忠臣蔵が歌われています。
政若会は、泉州民謡保存会「泉龍会」より独立し、50年以上のキャリアを持っています。
志村敏子さんと大西兄弟
志村さんは、なにわの伝統野菜や淀川のシジミとウナギ、阿倍野の歴史などをテーマにした大阪弁の絵本を制作。絵は、教え子の大西さん兄弟がCGなどを駆使して描いています。
これらを紙芝居にして各地のイベントにも参加し、「大阪ものがたり」の語り部としても活躍しています。
絵本や紙芝居を見た子供たちは、学校で伝統野菜を栽培、調理して食べることにも興味を持つようになっています。
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