今月の予定

第22回なにわ大賞

なにわ大賞

なにわ人形芝居フェスティバル

なにわ人形芝居フェスティバル運営委員会

阪神大震災の翌年、震災やオウム事件に衝撃を受け、既存宗教の若者への影響力の低下に危機感を抱いた下寺町の寺衆が自主的に始め、これまでに23回行われているフェスティバル(毎年4月の第一日曜日開催)。
心光寺の先代住職が「戦後に戦災孤児たちを何とか喜ばせてやろうと、人形劇などを見せて回ったことがあった」との言葉を受け、一心寺長老が発起人となり下寺町25寺社を会場としている。
このエリアは松屋町の人形街にも通じ、文楽劇場にも至る「緑と寺社と坂の町」として散策にも適している。
招聘される作品は必ずプロに上演料を支払い、作品を選考。これは、クオリティを重視し、本当に良いものを大阪の子供たちに見せたいという想いからに他ならない。1枚700円の当日券のみ販売しているが、毎年赤字。
「現場での感動が減ることがないように」とは、事務局長である一心寺シアターの高口さんの言葉である。

準大賞

認定NPO 法人プール・ボランティア

「障がい者に水泳を教える…」どこにでもありそうで、ないのがこの活動。NPOとして組織的にやっているのは、日本中で大阪のプール・ボランティアだけのオンリーワン活動。
20年前に障がい者のことを全然知らない「ド素人」の元ビジネスマンと元デパガが始めた活動。ド素人だからこそできる発想と工夫が売りである。
「日本中で障がい者を受け入れている民間のスイミングスクールはただのひとつもない」「行政のする障がい者スイミングスクールのおかしな実態」、そんな疑問に「なんでやねん!」と行動を始めて20年。継続と拡大をめざして「コミュニティビジネス」手法で非営利ではあるが有償の活動(経営)を実践している。
大阪マラソンにオフィシャル寄付団体として参加。ボランティア、コミュニティビジネスとしても先駆的な活動を繰り広げている。
ポスター、パンフレット、HP、運営システムなど「大阪ならではのいちびり精神」溢れたデザインが楽しい。

準大賞

たけちゃんの大阪へーほー散歩

55歳で会社を早期退職した奥村武資さん。
以前訪れた旅先の観光地で、「ボランティアガイドさんの案内が正直言って、あまりオモシロなかったなぁ、第2の人生、どうせなら自分のやりたい事をやったるで、旅行客にオモロイ大阪を案内したる」と、“へーほー散歩”を企画。街歩きに参加した人が、思わず「へー」「ほー」と感心したり、驚いたりするようなネタを盛りこみ、現在、約100コース以上を提供。所要時間は1時間と決めている。それ以上だと観光客も飽きてしまうし、ツアー終了後も行きたいところにすぐ行けるからである。
8年間で案内したのは420ツアーで、観光客は延べ2,000人以上。
たけちゃんは、みんなが知っている大阪、知らない大阪をミックスして案内することで、大阪をより好きになってもらいたい、そしてリピーターとして何度も大阪に来てほしいと、いつも願っている。
将来の夢は、ガイドさんをもっと増やし、“オモロイ大阪”をもっと多くの方に知ってもらうことである。

みんな虹色に輝け 特別賞

株式会社グランディーユ 小笠原恭子

【助成金はいらない!~グランディーユの挑戦~】
「障がい者を雇用して市場で評価され勝てる商品を作ろう!」小笠原さんがそんな決心をしたのは7年前の大学院在学中のことだった。
フィールドワークの折、作業所の手作りクッキーが美味しく、いい材料も使っているのになぜか安く、障がい者の賃金があまりにも低いことを知る。さらに調べると作業所で作られている製品は、正しく評価されれば相応の対価が得られるという一般社会の商流に乗っておらず、また、そんな状況を覆そうとする人もいないことに小笠原さんは気付く。
これがグランディーユのビジネスモデルが出来るきっかけだった。
2014年にカフェをオープン、知的・精神障がい者を雇用しているが障がい者雇用に関する助成金は受け取っていない。これは行政からの縛りを避けるのと制度そのものが使い難いためだ。さらに手帳が無く助成金が発生しない為、敬遠されがちなニートや引きこもりの雇用にも積極的だ。

楽しさ灯る 特別賞

照明塾 塾長 橋田裕司

「心が楽しくなるあかり 楽になるあかり」をモットーに、やさしく温かみのあるあかりを手作りし、人々の暮らしや心を照らす活動を続けている。
元々は照明機器メーカーのデザイナーで36歳のときに、もっと社会に関わりたいと独立した。
1996年から開いている「手作り照明教室」では参加者それぞれの個性を生かす手法で、照明作りを指導。自分のペットをモチーフにして作るなど楽しい作品が制作されている。
また2005年からは教室などでの作品を、子供たちが入院する病院やホスピスなどに寄贈する活動「あかりバンク」をスタート。手作りのやさしいあかりが、夜間の病院で寂しさや不安感を募らせる子供たちや患者らの心を癒すことに大きな役割を果たしている。
また近年は、個人宅での在宅介護や医療の環境を改善する取り組みも始めている。手作りのあかりと間接照明を組み合わせて、当事者も介護する家族も癒されるあかりを提案している。

心の水先案内人 特別賞

人生図書館 館長 田中希代子

人は、不治の病になったり、倒産したり、受験に失敗したり、愛する人の死に遭遇するなど、人生の崖っぷちに立たされることがある。そのような時に同じような境遇の人に出会うことがあれば、人生の再スタートに導かれることが多い。
人生図書館は、寄贈された本のメッセージカードを通じた、出会いの場になっている。
人生図書館は、「人生で出会った、とっておきの寄贈本」と、寄贈に至ったメッセージが添えられている。訪れた人は、館長の田中さんとのさりげない会話から、目的とする本と出会う。そしてメッセージカードを読み、寄贈者の人生に触れる。そして寄贈本を読み、人生を振り返る。
人生図書館は、田中さんの発案で、勤務先のマンションの一室を無償貸与され、オープンのためにかかった費用300万円は田中さんが負担している。
静かで、居心地が良い空間、そして来館者の傍に寄り添う館長の田中さんが、人生図書館の特徴である。利用は無料である。

(公財)大阪観光局 特別賞

Osaka Kitchen 稲垣陽子

2015年3月の開始から4年目を迎えた、海外からの観光客向けの料理教室である。
英語や中国語で2名程度の少人数で開催しており、これまでに41か国、565組1,200人以上の海外からの観光客を「着物と割烹着」という姿でおもてなしをしている。
旅行者向けサイト”Tripadviser”では、上位10%のみに与えられる”Certificate of excellence” を4年連続で受賞している。
料理はお好み焼き、巻き寿司、餃子、出汁巻きなど、家庭料理をベースにしたメニューである。
教室では必ず真昆布を使用して、昆布のうまみの説明なども丁寧に行っている。昆布以外もこだわった調味料を使用し、味噌汁に使う味噌は自分で仕込んでいる。
料理だけではなく大阪の文化、歴史、地理などの説明を交えて「楽しくて美味しい時間」を過ごし、海外からの観光客に日本の良い印象を与えている。
教室前後に大阪天満宮や天神橋筋商店街、菅原町や中之島などを案内するプチ観光ツアーも大好評である。

(公財)関西・大阪21世紀協会 特別賞

大川進一郎

大川家は代々、大東市住道の資産家として知られている。
現当主の大川進一郎さんは、数々の地域の役職を歴任する一方、自身がクラリネット奏者であった経験を活かし、音楽を通しての地域活性化に熱心である。
市民が気軽に音楽やオペラを無料で聞くことができる憩いの空間(街角コンサート)や大阪の音楽家、合唱団に活動の場を提供する。殊に関西フィルハーモニー管弦楽団の立ち上げや20年以上続く阪大オペラの運営など、大阪の文化活動にも貢献している。
また大東市野崎が、戦国時代にスペインの宣教師によってヨーロッパに紹介されている歴史に因み、スペイン調の建築様式で建設された自身の経営するショッピングモールやマンションを中心に、住道駅前をスペイン風に作り替えようとしている。
ショッピングモール場内には、アメリカから直輸入されたパイプオルガンや聖人の像などの彫刻、トイレにスペインタイルを用いるなど、随所に徹底したいちびり精神が発露されている。

第22回なにわ大賞概要

開催年 2019年
後援 大阪府大阪市大阪観光局NHK 大阪放送局大阪商工会議所(公財)関西・大阪21世紀協会国土交通省近畿運輸局
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